ありのままでいられる場
Shonan ART BASE 丨 湘南アートベース
小田原アートホテル2014『わたしの一部屋』展を企画して
湘南アートベース(代表)朝比奈賢丨Ken ASAHINA
私の内面感覚の話をします。
普段は絵を描いていますが、今回はアートイベントの企画ということで、いつものように作品の制作時間はとれませんでした。しかし、心の中では生き生きと描く創造の感覚が、より大きな次元で展開していました。まるで、湘南の大地という巨大なキャンバスに、自分のコントロールの及ばない人という様々な色で、アートホテルという未聞の作品がつくりあげられていくような、内部活動が生まれました。
私は、絵描きである以前に、人としての生き方を追求したいと考えています。その結果が絵画作品になるのか、他の何になるのかは直感と運命に委ねます。今回は結果としてアートホテルという形で産み落とされました。
私は、どんな人も、表現するためにこの世に生を受けると信じています。生き方を類型化せず(「芸術家はこうあるべきだ」など)、産みだされるもののために自由に表現手段を拡張していきたいと考えます。
アーティストのことば丨ARTISTS
小田原アートホテル2014『わたしの一部屋』展に参加して
202号室 利根川佳江丨Yoshie TONEGAWA
3日間、部屋にアートが一つもなかったホテルの部屋は、想像を遥かに超えたパワーあふれる活気に満ちた空間になりました。
参加者それぞれが思い思いの自由な展示で、どの部屋も個性豊かでユニークな部屋ばかり、素晴らしかったです。それぞれの部屋が生き生きとしていて、今思い出してもワクワクしてきます。
ホテルの一部屋での展覧会ということで、お客さんはみんな興味津々。画廊と違い気楽にアートを楽しんで頂けたと思います。本当に楽しかったし、嬉しかったです。
アートホテルに感動!ありがとうございました。
203号室 岡本浩二丨Koji OKAMOTO
「わたしの一部屋」展、私の感想として一言で言えば、「ビジネスホテルで行った文化祭」という感じだったか。ビジネスホテルと文化祭という組み合わせ自体が面白く、 とてもユニークな非日常だったように思う。その作用で客も我々もある種の興奮を覚えたのかもしれない。集客数からしても客の感想からしても、イベントとして大成功だったと思う。客も我々も満足している。
さて、祭は祭として終わったが、これが何だったのか、客と我々にとって、またアートを取り巻く環境(社会)にとって、どのような変化がもたらされたのか、この問いが重要だと思う。単なる文化祭や学園祭の、見せ物や模擬店やその場限りの興奮や一発打ち上げ花火ではなく、その祭の後も、作品のパワーと展覧会での経験が、客や作家の心に持続して機能するような企画が今後も繰り返されることでおのずと答えが見えてくるだろう。
205号室 宮塚春美丨Harumi MIYATSUKA
『奇跡の5ヶ月』(※準備期間)
櫻井さま 朝比奈さん 本当に有り難うございました。
終わった後の思いを一言で表すとすれば、
『Pure』
というイメージでした。
展示をしている様子は、文化祭のような雰囲気でまるでデジャブ!ホテルグリーンに居たひとみんなそれぞれの立場で、異時間異空間を楽しめたのではないでしょうか。
長年にわたるすどう美術館のはたらきの上にそびえ立った見応えあるアートホテル出発進行!
206号室 相馬節子丨Setsuko SOMA
今回の企画が決定し、5ヶ月と短い準備期間で、開催となりましたが、宣伝等の発信によりオープン初日から部屋は人、人、人で溢れ「こんなに大勢の方がこのホテルにいらしているのですか」と逆に思わず聞いてしまい、笑顔が絶えませんでした。
1人では成り立たない、多数の作家の助け合いにより、心の絆を表現した世界が表出され、見る人の心の中に働きかける内面的な蠢くものが、1部屋ごとの違いで見る人に「面白い、楽しい」と評価されたのでしょう。
この企画をして下さった皆様、ボランティアの方、そしてホテルグリーンの皆様に感謝の気持ちで「ありがとうございました」と何度でも言いたいです。これからも今を大切に積み重ね、2年、3年と継続して見に来て下さった方々に発信し続けて下さい。ご成功おめでとうございます。
207号室 中里柾美・光平丨Masami/Kohei NAKAZATO
初めてのAtist debut
作家さんとのコラボは 非常に楽しく刺激的でした。 一度参加したら辞められない 気分ですね、本業にしたい そんな夢が膨らみました。
とにかく可能性に 富んだ企画で 2回3回と場所を変えても 又、購買力のある 地域や市場の方に 繋がれることも 考えたいですね。 生活文化と地域の活性化に アートホテルは これからが楽しみな 大切な活動と 参加して改めて感じました。 朝比奈さんを始め ボランテアスタッフの皆さん 本当にお疲れ様でした。 ありがとうございました。
208号室 野口節子丨Setsuko NOGUCHI
「あら!何 この部屋?」
「みんな 違うんだ!」
-と いった顔、カオ、かおが 入口から次々と来られました。これは大変なことになりそうーと自分自身 困惑しつつも、やがて 見て楽しんでくれる様子に嬉しくなり また率直に 質問されたり返したり 私なりに充実した3日間でした。
第2回が大いに 期待されます。そしてアートへの関心が更に広がるように願います。
303号室 内山睦丨Mutsumi UCHIYAMA
アートホテルに参加し、確かな手応えを感じてとても充実した三日間でした。
私の部屋を訪れたお遍路絵日記に興味津々な方々、家で紙袋の家を作ってみると言ってた親子連れ、こういう世界があるのね~と笑顔で話しかけてくれる人。お客さんが楽しそうなのでこちらもテンションアップして…会話しながらアートを身近に感じてもらっている実感がありました。
幸せな時をありがとうございました!
今後も続けていけることを願っています!
305号室 岡村敬子丨Keiko OKAMURA
グループ展のようでもあり,個展のようでもあり。
やわらかい笑顔のたくさんの来場者の方たち。しなやかな対応の参加者、スタッフの皆さんたち。
[わたしの一部屋]に一泊の家出が叶い。早朝からの再展示の新鮮さ。前日とは、違った見え方のおもしろさ。ひきもきらぬ来客の方たちからの作品、展示、はたまた人生訓にまで及ぶ意見やアドバイスの数々。
[アート・ホテル]のすごさを感じる事のできた3日間でした。
306号室 梅花美月丨Mizuki BAIKA
ホテルをまるごと貸し切っての展覧会。前代未聞のイベントに参加でき、これからの私のアート人生にとても良い刺激を与えてくれました。
ご来場頂いたお客様の中で、普段の生活ではアートにあまり触れる機会がない方も多く、この展覧会でアートを身近に感じ、「楽しい!」と言って頂けたことが何よりも嬉しかったです。
ご来場頂いた沢山の方々、出展アーティストの方々、企画者の湘南アートベース代表の朝比奈さんに心より感謝申し上げます。
307号室 石原瑞穂丨Mizuho ISHIHARA
無我夢中、暗中模索、五里霧中みたいな感覚の3日間でした。
初回ということで反省点も多々あり、是非、2回目に自ら期待したくなる思いです。そんなわけで、また、このような企画を来年とは言わないまでもやりましょう。と、勝手に思っています。
みなさんも、本当にお疲れ様でした。では、また次回…。
308号室 石田勝也丨Katsuya ISHIDA
すべてではありませんでしたがそれぞれの部屋を訪ねて、多くの作家さんとお話しできたことが、僕にとって非常に意義にあるイベントであったなと思います。
また見に来てくださった方も大変満足そうな顔をされていて、アートにとってとても意義のあるイベントであったなと、つくづく感心しています。
僕の反省ですが、もっと時間をかけて展示の準備をして深くかかわれていたらと、非常に後悔しています。またこのような機会があったらぜひ誘ってください。
Hiroshi NOMOTO/Ricca OKANO/Hozuki
多くの作家達と作品と同時に出会い、交流できたことは、とても素晴らしい企画だったと思います。さらに、多くの来場者の方々とお話して、さまざまな意見、感想などを伺うことができたことは自分にとって、新しい発見が多くありました。身体にオブジェを身につけるということは、その人をワクワクさせたり、楽しくさせたりもするということを改めて実感しました。ほぼ、三日間会期中オブジェを身につけていただいた朝比奈さんには、感謝しています。本当にありがとうございました。次回にはさらにグレードアップして装着をお願いします。自分も一緒に装着し続けたいと思います。
ノモトヒロシ
身につけるもの。今回初めて制作したビニールのストールは私の知らない場所で、階を超えリレーのように皆様の首にかかり、それはまた極上の笑顔のリレーでもあり、作者にとってもこの上ない喜びとなりました。ほんとうに多くの来場者の方々を迎える事が出来、また次の機会にはさらにパワーアップした作品を準備したいと考えています。日々アトリエに孤独とともにいる私たち作家にとっても、同じ仲間との交流が非常に嬉しかったです。ありがとう ART HOTEL!
岡野里香
401号室 村上敬丨Takashi MURAKAMI
皆さん、お疲れ様でした。
そして最高の機会を与えていただいたすどう美術館館長ご夫妻、そして朝比奈さんを始めとしたスタッフの皆様に心より感謝致します。
期待が膨らむ気持ちから、徐々に不安との葛藤に心が変化していくのを感じた展示会になりました。いつもと違う空気感に戸惑いながら、慌てふためく当日の搬入と展示、どれ一つとっても初めての貴重な体験でした。
それは、3日間が最高に楽しい時間だったことが証明してくれました。
402号室 岡本順子丨Junko OKAMOTO
アートホテルの会場の部屋を見学してすぐに、ベットの上いっぱいに作品を並べてみたいと思いました。通常のギャラリーでは出来ないことをやってみたいと準備の段階からとてもワクワクしていました。
作品以外に画材やお気に入りの小物などを展示したことにより多岐に亘った質問があり、とても新鮮でした。
天気にも恵まれ春の日差しが部屋を包みより楽しげな空間にしてくれました。振り返ればあれもこれもと遣り残したこともありますがとても楽しい3日間でした。
403号室 伊藤あずさ丨Azusa ITO
今回の展示では、「わたしの一部屋」というテーマでしたので、作品の制作過程もイメージして頂けるように、銅版画の制作に使っている道具や版も展示しました。
会期中に作品を熱心に鑑賞している方から、どのように制作しているのかという質問をよく受けました。銅版画の制作過程や技法の説明をすると熱心に聞く方が多くいて、自分の制作活動の軸になっている銅版画について関心を持っている方がたくさんいることを知り、ありがたく感じました。
今後も楽しみながら、一生懸命制作に取り組みたいと思います。
405号室 阿部尊美丨Takami ABE
今回のアートホテルでの展示と、これまでギャラリー等で行ってきた展示との最大の違いは、作家(または作品)と観客との距離だったと思います。
日常の生活空間に近い家具の置いてある部屋と適度な狭さが、「美術を鑑賞する」ことへの垣根を取り除いてくれたように見えました。
一見アートに無関心を装う人達が、アートそのものに無関心なわけではなく、そのイメージに拒否感があるようにも思え、また、若い人達が自然に作品に接していた様子も印象に残りました。
406号室 金子牧丨Maki KANEKO
数名の方が部屋のにおいが違う、と声をかけてくださいました。乾ききっていない油絵の具のにおい。前日まで描いていた計画性のなさを恥じ、「すいません、、、」と説明すると、懐かしい、ほっとする、美術室のにおい、このにおい好き、とみなさんお話くださいました。
少し敷居が高くギャラリーに足を運ぶ事のなかった方々がここに来てアートを楽しんでくれている。そして学生時代の美術室を懐かしく思い出してくれている。
子供はもともと、みんな絵や工作が大好き。それを思い出し、大人になってももっとアートを身近に感じてほしいな、と、温かい気持ちの中、再確認させていただきました。
407号室 加藤肇司丨Keiji KATO
今回の展示は、催としても参加してたのしかったし、また共同して行うという充実感もあったし、様々な作家の共演ということでも、大変勉強になることが多かった。
それにつけても、こんなに良いことだらけ、盛りだくさんな企画のために、たくさんの協力して下さった方々の見えないところでのご苦労を思はずにはいられません。
感謝しております。
どうか、関わった人々すべてにとってこの催が良い出来事であったことを願います。
408号室 堀典子丨Noriko HORI
3日間のアートホテル「私の一部屋展」は夢のように過ぎ去った。
作品を見にいらしてくださる方でホテルの部屋は常に満ぱいで特に2日目は夜の9時迄休むひまもなかった。
「一度に20余人の個展を見ることができるなんて!狭いゆえに作家の方と親しくなり、作品についてくわしくお話を伺うことができ、至福の1日でした…。」といらしてくださった方がおっしゃって下さった言葉が忘れられない。
芸術作品が、そして現代美術がこれほど多くの人々に受け入れられ、発信者と受信者がこれほど密な関係を築けたことは、まさに奇跡であるとしか思われない。
屋上彫刻 田中太賀志丨Takashi TANAKA
ビジネスホテルという殺風景な空間が楽しい、お祭りのような空間になって楽しかったです。
私の鉄の作品がビルに寄生できて来場者だけでなく近所の方や通行人までが面白がってくれて良かったです。
日常の空間が変わるアートの力を感じました。
実行委員 高橋玉恵丨Tamae TAKAHASHI
今回のアートホテルで一番印象的だったのは、予想以上に作家の個性が部屋の個性となってあらわれる面白さだった。作家の家に遊びに行くような楽しい感覚が生まれたことは、この企画の醍醐味となったと感じた。
また、販売件数が予想をはるかに上回ったことは大きな成果だと思う。大事なのは金額の大小ではなく、たくさんの人がアート作品を買う気持ちになったこと、それはアートをぐっと身近に感じてもらえたからだと思う。
作品を買われた皆さんが、アートとともに暮らせる幸せを体感し、そこからまた広がりが生まれれば、と願っています。
スタッフのことば丨Special Thanks
小田原アートホテル2014『わたしの一部屋』展に参加して
実行委員/デザイン M.Shinano
代表の事前の準備も勿論ですが、参加作家の方々はじめ、関係者各位の協力があってこそのイベントであったなと感じました。
実行委員として深く皆様にお礼申し上げます。お越しいただいた皆様にも重ねてお礼申し上げます。楽しい時間をありがとうございました。
湘南アートベース第2弾に期待!
田辺州雄丨Kunio TANABE
私は、本イベントのビデオ記録(DVD)担当として参加しました。
そして、その特異なテーマや展示の全てをシッカリと記録することに心掛けました。「記録」は単なる「思い出」だけではなく、次に繋がる何かが潜む場合も多いからです。
特に今回、「アートを(消耗品のように)身近に置いて気楽に楽しもう」というコンセプトを実践展示したことは、芸術の役割を改めて問うと共にその裾野を広げる一つの大きな契機になったように思います。
長岡美智子丨Michiko NAGAOKA
「何があるんだろう??」
アートホテル入口での期待と不安の顔から、全ての部屋を回り切った後の少し疲れを含んだ、感動と喜びの顔へ。
そんなお客様に3日間会え、幸せな気持ちを頂きました。
持続させていくには、今回と同じ事と共に、今回以上の何かも求められていくと感じます。成功した事、失敗した事どちらも糧にし、また新しいアートホテルで皆様をお迎え出来たらと思います。
執筆中
和田奈緒美丨Naomi WADA
私はアートホテルに今回作家としてではなく、スタッフとして参加しました。
この様なイベントは初めてで正直全くどんな感じになるのか、来場者がどの位なのか分かりませんでした。しかし、開始直後から大勢の方が来て下さいました。来客数は800人ちかく。銀座、京橋あたりの一週間の展示の来客数の3倍程です。また、今回素晴らしいと思ったのは、そのお客様の多様性です。お年寄りから子供まで。普段は絵を見ない方も多かったようでした。
いつもどうしたら昔の日本のように掛け軸などの絵や書など美術を楽しむ文化が取り戻しせるのかと考える私にとって、とても画期的なことでした。時間に追われ世の中がギスギスしてる昨今、アートの力を再認識できるこの様なイベントはとても有益だと思いました。
すどう美術館セレクション
すどう美術館館長 須藤一郎丨Ichiro SUDOH
朝比奈さん、アートホテルの成功おめでとう。
いろいろな会合でこのイベントの話をし、チラシを配るとユニークな企画に大きな反響がありました。マスコミ関係でもたくさん取り上げられましたし、これは多くの方が来てくれそうだと期待が膨らみましたが、まさにそのとおりでした。
それぞれ個性のある部屋で、出展者と来場者が楽しく話ができ、アートが一般の人に広がるきっかけになったと思います。
この成功が次に繋がるよう念じています。
撮影協力:とし こゆるぎ 中里柾美 野口一治 宮塚春美 岡野里香 阿部尊美 利根川佳江 伊藤あずさ M.Shinano
アートホテルを訪問した感想、ウェブサイトをご覧になった感想など、お気軽に書いていただけるとうれしいです。
湘南アートベース 代表 朝比奈賢