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ODAWARA ART HOTEL

EXHIBITION

"a room of me"

 

 

小田原アートホテル

2014

 

『わたしの一部屋』展

 

 

 

 

 

 

会場:ホテルグリーン

 

3月21日(祝)22日(土)23日(日)

会期を終えて(1)

会期を終えて(1)

2014年3月21日~23日の3日間、とてもいい天気に恵まれ、マスコミ等が大きく取り上げてくださったことも手伝い、700~800人の来場者に展示をご覧頂きました。 集客数だけを見れば、アートイベントとしては大成功だと思いますが、大切な問題はそこにはないと思います。 ひとりひとりの来場者の方の心にどんな変化が訪れたか。また、その後どんな思いを持ち帰っていただけたか。ひとりひとりの心に届けられた感動の深さ、つまり量ではなく質が問題だと考えています。 今回の企画で、参加作家と来場者の間に生まれたワクワクする高揚感と興奮は、作り手側と受け手側の距離が非常に近かったことに起因していると思います。 画廊では作家さんに話しかけてはいけないような雰囲気があることが多いですが、作家が3日間部屋に滞在し、空間づくりをすることで、まるで、お宅を訪問するような気軽さで訪ねて、お互いにお話していただけました。そのことで来場者にも新しい世界が拓け、作家にも新鮮な刺激がもたらされたのでしょう。【続く】

会期を終えて(2)

会期を終えて(2)

【続き】このような、独自な世界を持つ作家の部屋が21部屋もそろったのですから、ホテル内でのシーンの展開といい、出会いと会話の幅といい、ボリュームとしてはかなり大きなものがありました。 3時間以上かけて丁寧に回ってくださった方も多いようでした。中でも嬉しい感想は、「見に行ったはずなのに、参加ができた!」というものです。 また、家族で遊べるように、1Fスペースでワークショップを開催したり、部屋を訪問する度に作家にスタンプを押してもらうスタンプラリーを企画しました。そのキーワードを見て、普段は美術展を訪れない多くの家族連れが楽しんでくださったことはとても大きな出来事でした。 アートは閉ざされたごく一部の人たちのものではなく、万人が、心ゆたかに生きていくために必要なものだと信じているからです。〈続く〉

会期を終えて(3)

会期を終えて(3)

〈続き〉来場者からこんなコメントを頂きました。 『「アートは腹の足しにもならない。そんなものに高いお金をどうして払うのだろう?」とどこかで思っていました。そして、作品を見ても理解ができない自分がもどかしく、敬遠していました。しかし、今回の展覧会で作家たちと身近に話せたことで、「アートは気軽に楽しんでイイんだ!」と、ようやく気付きました。』 また、いつもお世話になっているすどう美術館の館長はこうおっしゃいます。 『アートは心のごはんです。身体にも栄養が必要なように、心にもたくさん栄養を与えて下さい。』 ものがあふれていても、心貧しい現代社会ですが、すこしでも多く、心が豊かになれる場を提供していければと考えています。 湘南アートベース 代表 朝比奈賢 ARTISTS AND STAFFSのページも上のタグより合わせてご覧ください。作家およびスタッフの参加した感想を頂いています。

屋上彫刻:田中太賀志

屋上彫刻:田中太賀志

私の彫刻の中で鉄を素材とした彫刻があります。今回の展示はホテルの屋上の 給水タンクに鉄彫刻を寄生させます。鉄板を無数に叩き出して作った形はキノコのような形になります。その鉄のキノコ状の房は重なり合い、様々な場所に応じて増殖します。土、木、炭などいろいろな物質を使って「生命力」をテーマに制作してきました。 今回、歴史的な小田原の街のホテルの屋上にどのように彫刻を展開できるか楽しみです。

アートホテルコンセプト(1) 湘南アートベース代表 朝比奈賢

アートホテルコンセプト(1) 湘南アートベース代表 朝比奈賢

湘南アートベースの事務局は湘南大磯にあり、素敵な建物を使わせていただいています。アートホテル出展者の中里柾美さんが20年前に設計しました。梁や柱は通常使われる松材ですが、大きな違いは弁柄を雑巾で浸してすべての木材に染み込ませてあること。上から蜜蝋ワックスをかけて仕上げています。古材のような趣が和風のテイストにぴったりとマッチしています。 このような和な空間にも、現代美術の相性はとてもいいです。自分の作品だけではなく、気にいった作家の作品も集めて飾るように心がけています。また、アンティークなども雰囲気を出すのにかかせません。古いものだけだとカビ臭い感じがしてしまいますが、うまく現代美術作品が中和しておたがいに引き立て合います。観葉植物などの成長するものがあると、変化をもたらし日々の楽しみになります。アートホテルのアイデアはこのような生活から生まれました。【続く】

アートホテルコンセプト(2)

アートホテルコンセプト(2)

【続き】欧米では高級ホテルを利用したアートフェアが開催されています。各室をギャラリーに見立てて販売を行う、というものです。しかし今回のアートホテルは地方都市小田原の町はずれ、小さなビジネスホテルから始まります。そういう場所だからこそ、生活の中にあるアートを提案できるのではないかと考えました。 参加作家の皆さまにこのようなコンセプトを伝えてあります。自分の作品だけではなく、他の作家の気に入った作品、普段身近においているものを持ちこんで、『わたしの一部屋』をつくってください、と。 ご来場皆さまにも、ぜひ生活の中にアートを取り入れて、そのことがどんなに心豊に生きていけるか、このアートホテルの企画を通して体験してみてください。 先日こんなことわざを教えてもらいました。 ”You have to stop and smell the flowers" 『どんなに忙しく暮らしていても、立ち止まって花の香をかぐ心の余裕は忘れないで下さい』

ワークショップ監修:田中太賀志

ワークショップ監修:田中太賀志

ワークショップ 20mチョーク大壁画

ワークショップ 20mチョーク大壁画

202号 利根川佳江

202号 利根川佳江

私は昨年10月、第2回ARIO(西湘地区アーチスト・イン・レジデンス)に参加した作家の一人です。その間こちらのグリーンホテルに宿泊させていただきました。その時は部屋の中にはアートは一つもなく、きれいな部屋だけど殺風景でちょっと寂しい、という印象でした。今回、アートホテルのお話を聞いてとても嬉しくなりました。 アートがあることでどんな部屋に生まれかわるのか、楽しみでワクワクしてきます。

203号 岡本浩二

203号 岡本浩二

格子文様のズレによって生じる視覚的効果を下敷きにしています。ズレている形は紙を切り取ったような形のもので、不定形のものと浮世絵をモチーフにしたものがあります。その形はズレているために判然とせず、これを見る人は形を探そうとして視点をあちこちへと移動させることでしょう。一つイメージを捕まえたかと思えば、次の瞬間別の世界(空間)が立ち現れるような絵画を目指しています。世界(空間)は一つ予め用意されているのではなく、見ることの運動(行動)によって複数生じるものだと考えます。このホテルの一室が、そのような経験の場となれば良いなと思います。

205号 宮塚春美

205号 宮塚春美

『The home as inspiration』 ホテルの新鮮な寝場所から日常でない何かを探すワクワク感。 私はホテルが大好きである。 子供の頃から旅行好きだったからかもしれない。 ホテル空間をワクワクする空間『The home as inspiration』とテーマにしてみた。 ベッドで心地よくくつろぐことの一方で、作品も一緒に滞在すると、何かが起こりそう。 『旅』の作品も置いてみたいと思う。

206号 相馬節子

206号 相馬節子

今回の私の部屋は陶芸と書の融合で、楽しく自分らしい自己表現の世界を求め制作しました。しかし書は精密な古典のもつ芸術的味わいや技術を分析しその繰り返し(創造)をしないと自分と一体となりえない世 界があるのです。 墨の使い方、余白、筆の速度、リズム-自分の書法を確立していくのは、沢山の知識、努力が必要で学ぶことは数えきれません。しかし今回は自由に楽しく制作した作品を御覧ください。楽しさが伝われば嬉しいです。

207号 中里柾美

207号 中里柾美

ちいさい おおきい ひろい 丸い おくぶかい やさしい たのしい うれしい 自給自足の大家族の 農家と教育者の環境に 生まれ全人教育を受け 衣食住のあきないご 空間プロデュースを35年 今は大磯の畑に 船づくり村づくり 完成に夢中 大磯の 里の真ん中に 柾目を活かして 目には見えない 美しい空気を つなげることに夢中

208号 野口節子

208号 野口節子

[私の部屋」とは私の考えを試してみる実験室といえます。ビーカーやフラスコなどの替わりにいろいろなガラクタに囲まれてます。自分に起こる心の変化や興味などを自分のなかで反芻してみる楽しみと、何かを見つけることを集中してできる場であります。本当は自分の遊び場といえます。

301号 須藤紀子

301号 須藤紀子

私の美術とのかかわりは30数年になります。たくさんの人と絵との出会いがありました。 足を踏み入れて抜けられなくなってしまった美術の世界は汲めども尽きない魅力があります。 ある日一枚の絵に出会い、突然人生が変わってしまった話や、その世界の素晴らしさなどお伝えできたらと思います。 好きな絵に囲まれた楽しい部屋を作り、お客さまをお待ちしています。 どうぞお気軽に「紀子の部屋」のドアーをノックしてください。

302号 峰尾大介

302号 峰尾大介

pesadilla(悪夢) 見ているのに見えてない。しかし確実に にとりこまれて情報処理を続けている。 刺さった棘はすでに皮膚に覆われている。やがて疼いてくるが取り除けない。 光の当たらない場所に隠していた悪意は無自覚に育っている。 解放しなければ死んでしまう。 そんな部分を覗いて悪夢にうなされてください。 朝起きてコーヒーをすするとき新しい自分に気付くはず。 そんな部屋です。

303号 内山睦

303号 内山睦

これまでギャラリーの展示の他、自宅やインテリアショップ、カフェ、古民家等で展示してきました。暮らしと共にあるアートを体感して頂くことでアートをより身近に感じて頂けたらと思っています。 そんな私の想いと重なる今回のアートホテル、作品と普段使っている陶器、照明、布等を組み合わせ、リラックスできる部屋づくりを心がけたいです。 作品は、そこになじむようにある“Mimesis”シリーズ数点、“屋根から始まる物語”シリーズから紙袋で作った家を数点、四国遍路絵日記も登場します。

305号 岡村敬子

305号 岡村敬子

「わたしの一部屋」への三日間、ちょっとした家出を企て、心のトリップをしようとワクワクしています。日々の中で生活したり制作したり、いろいろ折り合いをつけながら現れてくるものをフィルターにかけ、透きとおった何かが現れてくる事を期待しながら。

306号 梅花美月

306号 梅花美月

私の住む茨城県北部は、とても自然豊かで、水のきれいなところです。そして360年の伝統を持ち国と茨城県の無形文化財に指定されている「西ノ内和紙」が有名です。 その地元の特産品を生かしたいと思い、作品は全て自分で手漉きした和紙に描いています。 東日本大震災以降、『緑』を希望・癒しのカラーとして 作品に使用しています。 今回の「私の部屋」は“癒し”をテーマに、来場者の皆様に少しでも癒しを感じて頂けましたら幸いです。

307号 石原瑞穂

307号 石原瑞穂

普段こうしてみたい、ああしてみたい などと思っていて、なかなかできない ようなことを、この3日間でやってみ たいと思っています。

308号 石田勝也

308号 石田勝也

誰もが首をかしげて「いらないな」と思うようなものを作りたい。 しかし、少し「もてたい」とか誰かが「買ってくれないかな」など、どこかで期待しているせいか、なかなか難しい。 アートホテルにおこしいただく方には「この作品は、自分の住まいのあそこに置いたら良さそうだ」などと想像しながら、買うことを前提で見ていただくことをお勧めします。臨場感が変わります。 壁や棚の周りを少し片付けて、一見、無駄に見えるものをおくことを是非してみてください。 作品の前に座って、お茶を飲みながら「豊かさって何だろう?」と考えてみるのもいいのではないかと思っています。

310号 ノモトヒロシ・岡野里香・穂月

310号 ノモトヒロシ・岡野里香・穂月

身体にオブジェをつける事で、人はどのように感じ、変化するのか?ノモトヒロシは[金属]で岡野里香は[ビニール]によるオブジェを制作。展示だけではなく、身につける体感型の作品です。時間で貸し出し、街に出て散歩もOK! 返却時に、その感想を伺います。

401号 村上敬

401号 村上敬

今回の展覧会は、私にとって初めてであり、また今までとは違ったテーマと空間を活かしながら、新しいアートの世界をお見せできるかどうかの挑戦でもあります。 私の場合、他の展示される方と大きく違う点は、展示するそのものが生きているということでしょうか。つまり、私自身がゼロから描いたり、作り上げたものではないということ、そして毎年その姿を変えながら、変化、進化し続けているということだと思います。 いつもなら自分が『ここでやってみたいな』と感じた会場を使って展示テーマを考えるのですが、今回はどうも勝手が違います。如何に与えられたこの空間を壊さずに『私の一部屋』を完成させられるかどうかが最大のテーマです。可能な限り日常の生活感を意識しながら、それでいてどこか非日常的な空間をお見せできたらと考えています。 毎回ぶっつけ本番的な感じなのですが、今回ばかりは少し知恵を絞らずにはいられそうもありません。皆さま、どうぞお楽しみに。

402号 岡本順子

402号 岡本順子

いろいろな自分の作品と、作品制作に使用している道具などを配置して、自分らしい楽しい空間にできればと思っています。

403号 伊藤あずさ

403号 伊藤あずさ

私は、自宅の部屋に自分の作品を飾るという習慣がほとんどありません。 自宅の狭い部屋で制作しているため、飾る壁がないということもありますが、自分にとって作品は制作して発表するもので、その過程で作品と向き合うことが多いため、自宅に飾るという意識がほとんどありませんでした。 今回、部屋という空間に作品を展示することで、今までにない感覚を発見しながら作品と向き合い、楽しみたいと思います。

405号 阿部尊美

405号 阿部尊美

私は、限られた空間に様々な工夫を凝らして快適さを編み出すアイデアを見るのが好きです。また、私は、人が感じ見ている世界とは何かという視点から、あるものを多角的な角度で見せたり、裏側から展開させることを作品にしています。 ホテルの部屋は、日常空間を離れる場でもありますが、アートによってさらに日常を転換させる空間ができたらいいと思っています。

406号 金子牧

406号 金子牧

居心地の良い場所、部屋、空間。一人暮らしを始めて、意識するようになりました。 幼い頃は、日のあたるベランダと、東京タワーの夜景が見える住宅の共同階段の踊場。狭い中でバタバタと過ごしていたあの部屋は、思い出はあるものの、お気に入りといえるものではありませんでした。 心身を癒す一人の時間を共にするのは第一に空間だと感じます。ゆっくりとした時間が流れるような部屋を作りたいと思います。

407号 加藤肇司

407号 加藤肇司

呼吸する部屋 私の仕事場は、地元の職人さんに土地の材料で作ってもらいました。柱と柱の間はしっくいで、天井はありません。壁と屋根の隙間からは、夜星明かりが漏れてきます。冬は寒く、夏あたたかい自然の小屋です。そのような、呼吸する空間の中にいつも身を置いていると、固く密閉された、人工空間では、息がつまる気がします。 そこで、今回の展示テーマは「呼吸する」です。最小限の、壁に掛ける作品と床や机に置く立体で構成します。 はたして、心地良い空間が生まれるでしょうか。

408号 堀典子

408号 堀典子

私の部屋には、マルティン・ファウゼルの哲学的、瞑想的なアクリル画と、私が学んだデュッセルドルフ芸術大学の恩師オットー・ケスタ-教授の銅版画(エッチング)を展示したいと思っております。 フランツ・カフカの「変身」の初版に挿絵を描いたオットー・ケスターは芸術制作だけに力を注いだわけではなく、学生たちに世界全体に対する明確な見解を伝えることにも力を注いだ秀れた教育者でした。

ラウンジ すどう美術館セレクション

ラウンジ すどう美術館セレクション

階段室 すどう美術館セレクション

階段室 すどう美術館セレクション

廊下 すどう美術館セレクション

廊下 すどう美術館セレクション

撮影協力:とし こゆるぎ 中里柾美 野口一治 宮塚春美 岡野里香 阿部尊美 利根川佳江 伊藤あずさ M.Shinano 

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