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   トークイベント

 〜アーティストと話そう〜

 

 日時:2018年7月17日

 会場:星槎大学箱根キャンバス音楽室

Julia Ziegler さん(ドイツ人)

「言葉がわからない国へきたとき、情報は視覚的に入ってくるので、その視覚情報が新鮮です。特に今まで見たことがないもの(例えば神社のなかに飾られた紙垂)は印象に残るので、今回、紙垂(しで)を作品のなかに盛り込むことにしました。」


 

 

 

 

ご来場者の皆さまにアートやアーティストを身近に感じていただくトークイベントが行われました。

まずは、アーティストの自己紹介からスタート。

どのような作品をつくっているのか、このレジデンスでどんなことをしてみたいか、などを話していただきました。

 

つぎは、作品紹介。

アーティストが一人づつ、制作途中の作品の横で、制作のコンセプトは何か、この絵はどんなインスピレーションをもとに描き始めたのかを説明しました。

(下記、一部ご紹介です)



 

 

鳥越義弘さん

制作のテーマは、記録。絵をつくることが頭にはあるが基本的には風景や人を記録することをしている。景色の記録をしている。箱根周辺を取材して、地面と植物が最近のテーマなので、写真をみて描いている。今回はみなさんから刺激をうけて、油絵をやっているが、なぜ油絵をやっているのかなどを考えた結果、今回は、箔をつかうことにした。箔は変化していくものなので、その変化も楽しんでいただけたらと思う。

Maša Galaさん(スロベニア人)

コンセプトは、マインドマッピング。こころのなかで感じる地図を表現することがテーマです。

絵画のなかに地図を入れて自分がどこにいるかを表しています。身体はここにいますが、精神はインターネットなどでどこにでもいくことができます。また、現在だけではなく、過去未来も含めてどこにでもいくことができます。このような広がりを感じてほしいので抽象的なものを描いている。見る人のこころで感じてほしいです。小さい作品は触ってもいいものなので実際にさわって感じてほしいです。

それから、参加者の皆さんからアーティストへの質問タイム。

今回ご招待した海外からのアーティスト6名は全員日本が初めてです。そこで、こんな質問が出ました。

 

「日本へ来る前と来た後の日本のイメージはどう変わりましたか。」

Kathleen Caprarioさん(アメリカ人)

以前から日本には興味があり、いろいろな書物を読んできたが、来る前には知っているようで知らないので、なるべくイメージをしないで思いだけで来ました。日本に来て、出会った人が美しくて素晴らしいと感じています。帰るときに一緒に連れて帰りたいぐらいです。

 

Xia Huaさん(中国人)

少しだけ日本のことを知っていたが、実際に来てみて、新しい日本の友達ができて、私達はアートについて話をしているがアートはコミュニケーションの手段の1つです。日本人の優しさに触れたり、日本のアーティストがとても真剣であることがわかりました。

日本の素晴らしいことは、お寿司のうえの魚が繊細に芸術的にカットされていることでもわかります。新しい材料や技術を使いながら、これからも自分のスタイルで制作を続けていきたいです。

 

Marco Useli(イタリア人)

まんが、アニメ、浮世絵やグラフィックアートを学んで日本へ来ましたが、実際に来てみて素晴らしい日本の文化を体験しています。レジデンス終了後、日本の建物、美術館などを見てたくさんのエネルギーをもらって帰りたいです。

このレジデンスでは、12名のアーティストが2つのアトリエに分かれて共同アトリエで制作をしています。そこで出た質問です。

 

「アーティストが同じアトリエのなかで制作しているなかで、たくさんの言語が飛び交っていてその空間が影響したものがあると思うし、あるひとの特定の発言が影響をうけたことがあると思うが、なにかこれは作品が影響をうけたな、と思うことがあれば教えてほしい。」

鈴木泰人さん)

今制作中だが、お互いに同じ空間で作品をつくることがとても重要。いつも1人で描くことが多いが、と今回はお互いに話しながら確認し合う作業が多く、今までは自分が持っていない視点で作品をつくる機会にもなっている。

 

(田中紗樹さん)

言葉は聞こえてくるものだが、視覚的なものからの情報が新鮮。お互いにアイデアを盗み合って自分の作品に戻ることが、寝泊まりを共にしながら全員が違うことをしているのが面白い。

 

 

トークイベントでは、アーティスト同志、アーティストと参加者の皆さんの双方の交流の場になりました。50名ほどの方にお集まりいただきましたが、そのなかに今回のレジデンスで制作した絵が飾られる星野リゾート「界仙石原」のスタッフの方もたくさん参加されました。スタッフの方のなかには、積極的にアーティストへ質問される方もいらっしゃり、アーティストやアートを身近に感じていただけたようです。ホテルに宿泊するゲストの方へ、今日感じられたことを伝えていただけると嬉しいです。

 

(文章:湘南アートベース 御幸菜穂子)

作品の説明をするアーティストの皆さん

実際に制作途中の作品に触れました

通訳を交えてアーティスト・来場者との会話が進められました

 

アーティスト イン レジデンス 箱根仙石原

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